【弁護士×税理士コラム】遺留分トラブルを回避し、相続税を「実質ゼロ」にする戦略
弁護士・税理士の置田と申します。
私はこれまで、弁護士として、そして税理士として、1000件以上に及ぶご相談をお受けしてまいりました。その中で実感するのは、相続は単に財産を分ける手続きではなく、ご家族の「想い」と「未来」を繋ぐ大切なステップだということです。
相続を巡る問題は、法務と税務の両面からの専門知識が欠かせません。私自身が「弁護士」と「税理士」のダブルホルダーとして、法律面での紛争・解決から、税金面での相続税申告・節税対策まで、ワンストップで最適なサポートを提供できることに、大きな使命を感じています。
こんなお悩みありませんか?
「親が亡くなり、相続の手続きをしなければならないけれど、疎遠な親族から遺留分を請求されないか不安だ」「遺留分として現金を支払った場合、自分が払う相続税は安くなるのだろうか」と、一人で悩みを抱えていませんか?相続税の申告には期限があり、一方で遺留分という法的権利は非常に強力です。この二つを切り離して考えてしまうと、思わぬ過大な税負担を強いられたり、親族間で深刻なトラブルに発展したりするリスクがあります。
この記事では、相続税の計算において遺留分がどのように影響するのか、そして疎遠な親族とのトラブルを回避しながら、賢く節税して相続税を「実質ゼロ」にするための具体的な戦略を解説します。この記事を読むことで、法的リスクを最小限に抑えながら、手元の現金を最大限に残すための方法が明確になります。
相続税の支払いに不安を感じている方や、遺留分のトラブルを未然に防ぎたいと考えているご家族は、ぜひ最後まで読んでみてください!
相続税と遺留分の深い関係:知らないと損をする法的権利の基本
相続が発生した際、多くの方が「相続税を安くしたい」と考える一方で、見落としがちなのが「遺留分」という法的権利です。遺留分とは、配偶者や子供などの相続人に最低限保障されている遺産の取り分のことで、たとえ遺言書があってもこれを完全に奪うことはできません。
実は、相続税の申告において遺留分は非常に重要な役割を果たします。なぜなら、遺留分侵害額請求を受けて金銭を支払った場合、支払った側の相続人は「相続した財産が減った」とみなされ、相続税の更正の請求(減額申請)ができる場合があるからです。逆に、遺留分を受け取った側には相続税がかかります。このように、遺留分と相続税は、切っても切れない「表裏一体」の関係にあります。
相続税申告における遺留分のメリットとデメリット
遺産分割において、各相続人の権利である遺留分を正しく理解し、税務とセットで検討することには大きな意味があります。
遺留分を考慮して分割案を作成するメリット
遺留分を考慮して遺産分割案を作成する最大のメリットは、相続税申告の「やり直し」を防ぎ、余計な税理士費用や延滞税のリスクを回避できる点にあります。最初から遺留分を考慮した適正な割合で分割協議を成立させれば、一度の申告で手続きが完了します。
私はこれまで、多くの相続現場で「遺言通りに全額申告した後に、遺留分を請求されてパニックになった」という方を助けてきました。最初から法的権利(遺留分)を尊重した分け方を提示することで、相手方の納得を得やすくなり、結果として申告期限内にスムーズに納税(または非課税の手続き)を終えられるようになります。これが、手元の現金を確実に守るための最も賢い方法です。
遺留分への配慮における注意点とデメリット
一方で、遺留分への配慮を優先しすぎると、特定の相続人が「自宅をそのままの形で引き継ぎたい」といった希望を叶えにくくなるというデメリットがあります。例えば、土地などの不動産が遺産の大部分を占める場合、遺留分を支払うための現金が不足し、最悪の場合は不動産を売却して現金化しなければならなくなります。
また、遺留分の計算を誤ったまま相続税申告をしてしまうと、後から税務署に対して修正申告や更正の請求を行う必要があり、手続きが非常に煩雑になるという点も注意が必要です。素人判断で「これくらいでいいだろう」と遺留分を処理することは、税務調査を招くリスクにも繋がるため、慎重な対応が求められます。
疎遠な相続人から遺留分を請求されないための事前対策
相続人の中に疎遠な親族や、一度も会ったことがない代襲相続人がいる場合、最も懸念されるのが「高額な遺留分の請求」による協議の停滞です。特に、不動産の価値が高い地域では、遺留分の額も数千万円単位になることがあります。
疎遠な相続人や代襲相続人への誠実なアプローチ
疎遠な親戚に対しては、まず「情報の透明性」を確保することがトラブル回避の第一歩です。相手は「本来もらえるはずの権利(遺留分)を隠されているのではないか」と疑っています。そこで、弁護士・税理士といった第三者の立場から、確定した財産目録と、各相続人の法的権利(遺留分)を明記した書面を送付します。
実体験に基づくアドバイスとしては、「法律で決まっている権利ですので、当然お支払いします」という姿勢を最初に見せることが、相手の攻撃的な態度を和らげるのに非常に有効です。感情的な対立を避け、冷静な数字の話に持ち込むことで、不当な上乗せ請求を防ぎ、結果として相続税申告に必要な「早期の合意」を取り付けることが可能になります。
遺留分侵害額請求のトラブルを未然に防ぐ「代償分割」の活用
遺留分トラブルを回避する具体的な手法として、私がよく提案するのが「代償分割」です。これは、特定の相続人が自宅などの不動産を相続する代わりに、他の相続人に対して「代償金」として現金を支払う方法です。
この代償金は、まさに遺留分の支払いに充てることができます。代償分割を活用すれば、不動産を共有名義にして将来のトラブルの種を作ることもなく、かつ、支払った代償金の額だけ相続税の課税対象額を減らすことができるため、非常に高い節税・紛争防止効果を発揮します。
【解決事例】疎遠な代襲相続人との協議を早期解決し、相続税をゼロにした事例
ここで、私が実際に担当した、遺留分への配慮と相続税の最大節税を両立させた事例をご紹介します。
ご相談時の状況:一度も会ったことがない甥・姪との相続
今回のケースでは、お父様が亡くなり、相続人はお母様、長女(依頼者)、二女の3名と、亡くなった長男を代襲相続した甥と姪の計5名でした。法定相続分は、お母様が2分の1、長女と二女が各6分の1、甥と姪が各12分の1です。
遺産は、京都にある時価約1億円の自宅土地建物と、約4000万円の預貯金でした。依頼者とお母様は自宅に住んでいましたが、甥や姪とは面識がなく、二女とも長年疎遠な状態でした。依頼者は「母と私がこのまま自宅に住み続けたいが、甥たちから高額な遺留分を請求されて家を売ることにならないか」と強く心配されていました。
解決のプロセス:法的権利(遺留分)の提示と税務シミュレーション
私は、まず甥や姪、そして二女に対し、丁寧な挨拶状とともに、全ての財産を詳細に記した目録を送付しました。その際、あえてこちらから「皆様には法律上、これだけの遺留分の権利があります」ということを明確に提示しました。
さらに、税理士の視点で「今この内容で早期に合意いただければ、各種特例の活用により、皆様も相続税を支払う必要がなくなります。しかし、争いになれば特例が受けられず、皆様にも重い税負担が生じます」というシミュレーションを併せて提示しました。自分たちの権利が守られること、そして早期解決が自分たちの税金負担をなくす唯一の道であることを理解してもらったのです。
最終的な結果:納税額ゼロと遺留分トラブルの完全回避
結果として、甥や姪、二女からも「適切な提案である」との同意を得ることができ、受任からわずか半年で遺産分割協議が成立しました。
早期に協議がまとまったことで、相続税の申告においても不動産の評価額を大幅に圧縮する特例をフル活用でき、最終的に**相続人全員の納税額を「ゼロ」**にすることに成功しました。依頼者様はお母様と共に住み慣れた家を守り、甥や姪、二女も納税の心配なく一定の財産を手にすることができ、全員が納得する最高の結末となりました。
まとめ:相続税と遺留分の悩みは専門家へ
相続税の節税と、遺留分の調整は、非常に繊細なバランスが求められる作業です。自分たちだけで進めようとすると、法的な落ち度を突かれたり、税務上の損をしたりするリスクが常に付きまといます。
今回のポイントを振り返ります。
- 遺留分と相続税は連動しており、遺留分として支払った金銭は相続税の減額対象になり得る。
- 疎遠な親族には、あえて遺留分という法的権利を早めに提示することで、信頼を勝ち取り早期解決に繋げる。
- 代償分割などの手法を駆使すれば、自宅を守りながら遺留分問題を解決し、節税も実現できる。
- 弁護士×税理士のダブルホルダーに依頼すれば、法律と税金の両面から隙のない戦略を立てられる。
相続税の申告期限は、刻一刻と迫ってきます。「遺留分で揉めそうだ」「税金がいくらになるか不安だ」と感じているなら、手遅れになる前に、ぜひ一度私たちにご相談ください。あなたの家族の財産と未来を、プロの技術で守り抜きます。
大阪天王寺相続サポートでは、相続税のお悩みはもちろん、複雑な案件や紛争になってしまいそうなケースまで、相続のお悩みをワンストップでサポートします。
相続においては、親族間の感情的な対立から、遺産の分け方について争いが生じることが少なくありません。法的な解決と税務上の最適解を両立できるのが、弁護士×税理士のダブルホルダーを所有している当事務所の強みです。
個別無料相談も実施しておりますので、気になる方は是非、お気軽にご連絡下さい。
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この記事の執筆者

入江・置田法律事務所
弁護士・税理士・家族信託専門士
置田浩之(おきた ひろゆき)




























