解決事例
- 2022.08.30
- 推定相続人の廃除を内容とする公正証書遺言を作成した事例
相談内容
相談者(男性)には息子が2人いましたが、息子がそれぞれ家庭を持ってから、全く自分に連絡をしてくれることがなくなり、寂しい思いをされていました。そのような中、妻に先立たれ精神的にも落ち込み、体調を崩し、ついには入院や有料老人ホームに入所する運びになりました。それにもかかわらず、2人の息子からは何ら心配するような連絡もなければ、「お金は自分で用意してくれ」などと心無い言葉を言われたとのことで大変ショックを受けられました。
以上のような事情のもと、自分が亡くなった場合の遺産(預貯金)を息子2人には相続させたくないと考えるに至り、相談に来られました。
当事務所の対応方針
本件の場合、息子2人が推定相続人となります。息子らに遺産を相続させたくない場合、亡くなるまでに現金等を使い切ってしまうという方法も考えられますが、今後、高齢に伴う病気のリスクやそれに伴う出費の可能性を考えると、手元に現金を残しておく必要もあります。その場合、遺言書を作成し、息子2人を相続人から廃除するという意思表示を残しておくことも可能です。その際に併せて遺言書に遺言執行者を指定しておけば、亡くなった後に遺言執行者が相続人の廃除の審判をすることができます。
相談者である男性は、これまで息子2人に言われた内容やショックを受けた出来事等を日記に書かれていたので、それらの事由に基づいて廃除する旨を記載した公正証書遺言を作成することとしました。また、相談者はご自身が亡くなった後に残った遺産は、恵まれない子どもたちに使ってほしいとのお考えでしたので、そのような寄付を受け付けている団体を調べ、その団体に遺贈するという内容も併せて遺言書に記載しました。
事務所コメント
遺言書を作成する場合にどの財産を誰に相続させるかといった点以外に、この相続人には相続させたくないといった意思を遺すことも可能です。それが廃除の手続になります。
但し、相続人の廃除事由は法律に定められており、相続人が被相続人に対して虐待したこと、重大な侮辱を加えたこと、相続人にその他の著しい非行があったこと、のいずれかが認められる必要があります(民法892条)。
本件の場合、そのいずれかに該当するほどの強い理由が認められるかどうか疑義があり、相談者の相続の際、必ずしも息子2人に対する廃除の審判が認められると言い切れない面もありましたが、その旨をご説明してご納得いただいた上で公正証書遺言を作成することができ、相談者にご満足いただきました。
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この記事の執筆者
入江・置田法律事務所
弁護士・税理士・家族信託専門士
置田浩之(おきた ひろゆき)