解決事例
- 2020.09.04
- 被相続人と疎遠であった実の母親と異母兄弟に相続放棄を認めさせた事例
事案
本件は、交通事故により若くして死亡された方の お姉さまから、当初、交通事故にかかる 損害賠償請求事件として依頼を受けた事案です。 |
依頼を受けた当初は、依頼者らは幼い頃に両親を亡くしており、他に身寄りが無かったため、施設で育ったと聞いていたことから、依頼者が弟の死亡事故に伴う損害賠償請求権を相続するという前提で事件処理を進めておりました。
ところが、戸籍謄本を取り寄せると、依頼者らの父親は早くに亡くなっていましたが、幼い頃に生き別れたまま関係が途絶えていた実の母親がご存命であることが判明しました。さらに、依頼者らの父親には前妻との間に子どもがいることも判明しました。
依頼者が生前にいくら親代わりとして弟の世話をし、反対に、母親とは幼い頃から今に至るまでの数十年間、関係が断絶していようとも、民法上は、弟の死亡に伴う損害賠償請求権はその母親がすべて相続し、依頼者に相続権は一切発生しないことになってしまいます。
また、仮に母親が相続放棄したとしても、父親と前妻との間に子どもがいれば、依頼者らとは異母兄弟の関係に立ち、依頼者と異母兄弟が2分の1ずつの相続分となってしまいます。
解決方針
実の母親や異母兄弟の現在の所在地を戸籍謄本や住民票を取り寄せて調べた上で、そこに、依頼者の代理人として、上記の経緯や事情を詳細に記載した手紙を発送するとともに、後日、お電話にて、依頼者の弟の相続に関して相続放棄をしてもらいたい旨、誠意をもって依頼しました。
その結果、実の母親、異母兄弟いずれからも了解をいただき、委任状をいただいたうえで、家庭裁判所に相続放棄の申述手続を採りました。こうすることによって、弟の交通事故による死亡に伴う損害賠償請求権を、依頼者に相続させることに無事成功しました。
大阪の相続・遺言・相続税に強い 入江置田法律事務所の解決事例
※2020年5月28日更新
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この記事の執筆者
入江・置田法律事務所
弁護士・税理士・家族信託専門士
置田浩之(おきた ひろゆき)